第73章 洋館の夜　※R-18

目の前が真っ白になりそうな程の
鋭い快感が身体の芯から全身に広がって

「はぁああ、んっ、ああぁ、んっ、
ひゃあぁあんっ、んぅ、あぁあんっ」

「…っ、ハァ、あげはッ…」

グイっと身体を杏寿郎が折りたたんで来ると
グググっと今でも十分に深い結合が
更に深く深くなるのを感じて

「ふぁあっ、んぅ、
深…いっ、んんぅ、はぁ、あぁんッ」

「……あげは、君の中を…、
俺で満たし尽くしたい…んだが？」

スルッと頬をその手が撫でて来て
自分の中でも奥の奥まで余す所なく
杏寿郎のモノに満たし尽くされながら
求めるままにお互いの唇を重ね合う
貪り合う様に唇を求めあいながらに
杏寿郎の手があげはの手を探り当てて
その手に指を絡め取られて繋がれると

ぐっとベッドの上に押し付けられてしまって
そのまま手を握り込まれて
満たし尽くしたいと言う言葉の通りに
全身のあちこちに彼を感じる
彼で自分が満たされるのを感じるから…

「ふ、あ、んぅ、杏寿郎…ぉ、
貴方で…、私の隅々まで…、
はぁんっ、満たされたくあります…ッ」

満たされていると感じて居るのに
もっとと欲張ってしまうのは
どうしてなの…だろう？

もっと　欲しいと思ってしまうのは…

こんなに近くに居るのに…　もっと

貴方が欲しいと…想わずに

願わずに…居られなくて…

自然と目尻から生理的な涙が零れ落ちて

あげはの頬を伝い濡らして行く

その頬を濡らす　温かい雫を
杏寿郎の舌に拾われて掬い取られて

私の流す…この涙の一滴すらも…

彼の…　

杏寿郎の物である様にすらも思えて来て


「んあぁ、はぁ、杏寿郎…、
貴方を…お慕いして…おります…ッ」

「……っ、ハァ、あげは……、
愛してる…とは、言ってはくれないのか？
今、…そう言われたいのだが？
あげは。君のその口から、言ってれ。俺に…」