第71章 昼下がりの秘め事 ※R-18
ぎゅう…っと杏寿郎の肩に自分の腕を回して
まだ話をしたそうにしていた
彼の唇を自分の唇で塞いだ
「んっ…、杏寿郎…は、
今朝は…、師範と…どんな…お話を…?
ふたりで、どの様な稽古をおなさりに?」
「ん?俺が君の師範とした話か?
それなら、わざわざ聞くまでもないだろう?
…ここから…通じて…知り得ただろう?
それとも、君がそうしていない時の事か?
嫉妬か?あげは。君がその様な感情を
ありのままに見せるのは…珍しくもあるが…」
ギュウウっと縋り付かれて
甘えた声で名前を呼ばれてしまえば
俺なんて物は 君にはどにでも出来るだろうのに
「しっ…師範は…、そのっ…
お年こそはそれなりのお年にはありますが…ッ。
女の…私から見ても…、美しく
色気を感じてしまいます…のでッ」
「あげは…、君のここに居る…
俺と揃いの蝶を…見せてくれないか?」
私の鎖骨の下にある 彼が付けた
蝶の形の印を見せて欲しいと言われて
自分の帯を解いて そのまま床に落とすと
着ている着物のを襟の合わせを大きく左右に開いて
明るみの下に…その赤い蝶を曝け出すと
「でしたら…、杏寿郎の…ここに居る
蝶も…私に、見せて頂きたくあります…ッ」
自分だけが脱がされて不公平だとでも
言いたげにあげはが言って来て
「俺の…蝶も…だな」
杏寿郎が着ている着物を自分の帯を
その手で解いて脱いで行くのを眺めていて
開かれた襟もとから覗く鎖骨に
何とも言えない男性的な色気を感じてしまいつつ
スルッとその少し開いた合わせの間に
あげはが自分の手を滑り込ませて
鍛え抜かれた逞しい杏寿郎の胸板を撫でて行く
彼の鎖骨の下に赤い蝶の姿を確認して
自分からその蝶に自らの唇を寄せる
その印を愛おしむ様にして口付けると
よしよしと頭を杏寿郎に撫でられてしまった