第66章 秘めないヒメゴト ※R-18
「夜は、あっちの
使用人の専用の部屋に居るが。
何も夜ばかりにそうするとも限らないだろう?
俺が、君の事がいつ欲しくなるかなんて。
俺にすら、分からないからな」
「でしたら、せめて…ッ」
「朝や昼間は控えろと…?
言いたいのか?あげは。
君は中々に俺に、酷い事を言うんだな。
俺はいつだって、あげは、
君が欲しくて堪らないと言うのに。
なかなかにつれないんだな、君は」
「しっ、四六時中は困ります…ッ。
杏寿郎に置かれましては、ちゃんと
鬼殺隊の炎柱としてのお役目を果たして
頂きません事には、
杏寿郎のお顔も立ちませんのでッ」
「むぅ。中々に君は手厳しいな…、
夫婦になったからと言って、
緩めすぎるなと俺に言いたいのか?」
「当然にありますっ、杏寿郎は
少々、ご自身の本分をお忘れにあられませんか?」
「そこまで言われずとも、
俺も自分の本分位はだな。
ちゃんとだな、わきまえているつもりだが?」
そう 少し自覚があるのか
言い切らない様な
歯切れの悪い口調で杏寿郎が言って来て
杏寿郎が石鹸を自分の手で泡立てると
あげはの身体にその泡を乗せて行く
「今だって本音を言えば。
もっと…と君と交わるのを欲張りたいのを
我慢してるんだと言わなかったか?
この後の、春日との予定が無ければ。
そのまま、夜まで…ずっと君と
そうしてたかも知れんぞ?」
そう杏寿郎が言った言葉に
あげはが睨む様な視線を向けると
「杏寿郎が言うと、
冗談に聞こえないのでありますが」
「はははは、それはそうだろうな。
俺は、冗談では言ってないからな?本気だ」
そう言って悪びれた様子もなく
笑顔をこちらに向けて来るから
やっぱり 杏寿郎は狡いと感じてしまうし
ついついに
その要求を飲んでしまっている自分が居て
むぅとあげはが口の先と尖らせると
「その、夜に在りましたら…、
構いません…よ?」
「はははは、そうか、あげは。
それは楽しみにせざるを得ないな」