第62章 結納編 朝
「手伝いをするって名目で、今日は
私達はここに特別に入れて貰ってんだ。
それも、炎柱さんトコの工藤さんの
計らいってもんさ。
だから、手伝うのは当然だよ」
確かに着付けを手伝ってくれる人を
用意してございますのでとは
工藤は言って居たには言って居たが
まさかそれが宇髄の奥方だとは聞いて無かった
結納の後の食事会の人数だって
俺と甘露寺と食べ盛りが居るから
多めにしてくれとは頼んでいたから
食事会に
宇髄と一緒に同席して貰えれば…と
杏寿郎が考えていると
ムニュと柔らかい感触が
着ている物越しに身体に触れて来るし
その彼女自身の香りも
これだけ近いのだから
杏寿郎の鼻先を掠めて来て
先程に三好さんがお色気ムンムンな髪結いと
この3人の宇髄の嫁達を形容していたが
その大きく開いた胸元が
丁度視界に入ってしまうので
見るつもりがなくても見えてしまって居て
すぐ目の前の豊かな零れそうな乳房を
見るなと言われても視界に入ってしまう
どうした物かと杏寿郎が思案をしつつ
ハッと現実に引き戻される
そうだ 父上ッ
父上と千寿郎は…無事だろうか?
自分の事でいっぱいいっぱいだったが
2人は…無事か?
同じ部屋に居る槇寿郎と千寿郎の姿を探すと
若い須磨にあれこれと世話を焼く様に
着替えを手伝われて まんざらでもない様な
そんな顔をしている槇寿郎の姿が見えて
「では、お父様。
下着の上のタオルとさらしで
体形が袴に映える様に、補正して行きますので。
何処に足すのか、見させて頂きますので!!
お身体失礼します」
あの須磨と言う 賑やかな奥方も
しっかりと仕事を果たしてくれていて
内心杏寿郎はホッとしてしまっていた
「ああ、そうか、すまない…。
…??えっと、あの、須磨さんと言ったか」
「はい、何にありますか?お父様
今はジッとしていて下さいね?
皺を取っているのです」
着物の下に手を入れて
着物の皺を取って居た須磨に
槇寿郎が困った様な顔をしながら
声を掛けていて