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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第62章 結納編 朝


馬車には何度も乗った事があるが

どうにもソワソワとして
落ち着かないで居るのは


私が今日 彼と結納をする…と言うのに

対しての緊張もあるだろうけど


一番の緊張の原因はあのカナエちゃんの

振袖を自分が着る日が来たと言う事への

緊張が一番大きい気がする

「珍しい事もあるもんだな」

そう沈黙の続いていた馬車の中の
沈黙を破ったのは意外にも槇寿郎だった

「珍しい事、にありますか?父上」

槇寿郎の隣に座っていた
千寿郎が槇寿郎に問い返して


「あげは、お前とは、何度も
任務を共にした事があるが。
鬼を狩りに行く時も、そんな緊張した
顔をしてるのを見た事がないが?
あげは、お前もそんな顔をするんだな」


緊張をしてるのは 感じては居たが

顔に出てた???

緊張してるんだって…事を
槇寿郎様に気取られてしまっていて

カァアアッと
あげはが頬を赤く染める


「しかし…、その、槇寿郎様。
私は鬼を狩った経験は幾度となくに
ございますが…っ、その、結納をするのは
初めての…経験に、ございますので…ッ」

頬を染めながら 恥ずかしそうに
自分の口元を押さえる仕草は
どうにもあらぬ妄想を
掻き立てそうではあるが

胸も無い様な チビ助の頃から
あげはの事を知って居て


「まさか、ああは言ったが。
本当にお前を、杏寿郎の嫁に貰う日が
来るとはな…、あげは。
一時期は、透真がお前の隣に居てくれればと
その話も忘れていたが…、
考えようによれば、皮肉な話…ではあるが」

「…っ」

昨日 あげはの口から
直接三上透真と言うその人物についての
話を聞いていた千寿郎は
何をそれに言えばいいのかと
言葉を詰まらせてしまっていて

槇寿郎とあげはの顔を
交互に眺めてしまっていた


「しかし、お言葉ながらに父上。
俺は5年前に彼女に救われたあの夜から、
これは決まって居た事だと思っておりますが?」

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