第57章 焦れる焦燥 ※Rー18
もし そうなのなら…もっと
杏寿郎にも そうなって貰いたいと
そう感じてしまって
どうにもソワソワとして来て
落ち付かない様な そんな
さっきまでの焦燥感とは別の
焦燥感が湧き上がってるのを感じて
その 疑問を彼に問いかけた
「あの、杏寿郎…、私がそうしたら、
杏寿郎はいいのですか?」
「いや、いいにはいいんだが…、
その…、そうされてしまうと、だな。
腰が動いてしまうんだが…?いいのか?」
でも 彼に そうあって欲しいと
そう思って願う そうありながらに
自分の中にある
彼をもっと 感じたいと
そんな風にも感じてしまって居て
一度だけじゃ 全然足りない…
そうなれなかった 数日分を埋めたい位に
「もっと、杏寿郎…を感じたい…ので」
「…っ、なっ、いいのか?
あげは。俺としては…、
願っても無い申し出でしかないが。
俺も、もっと…、君を感じたい…」
「あの、杏寿郎…、
一つだけ…願いたい事が…」
「ん?どうした?何だ?」
ギュッと杏寿郎の身体に
あげはが縋り付いて来て
「杏寿郎、今度は…あちらで…」
そう申し訳なさそうに言って来て
自分の今の状況にハッとする
そうだった 布団まで行くのを惜しんで
その場で事に及んでしまっていたんだったな
「あげは、すまない。身体は大丈夫か?」
むっとちょっとだけ あげはが
ふくれっ面をして見せて来ると
「あちこちに、畳の跡が…
付いてしまっておりますのでっ」
そう恨めしそうに言って来て
「なら、あげは。君も跡を残してみるか?」
杏寿郎がその詫びにこっちに
跡を残すのはどうだと提案して来て
肌を吸って跡を残すと言う事だろうかと
そう考えていると
スルッと杏寿郎が
あげはの背中を撫でて来て
あげはの背中に爪を立てるフリをすると
「君の爪跡を残されたい物だがな…背中に」