第48章 嵐、束の間の静けさのち嵐 後編
それは 当たり前なのだ
鬼殺隊にとっては 当たり前でしかない
私にとってそれが当たり前だった様に
彼らにも それが当たり前でしかない
ふるふるとあげはが首を横に振った
それでも それを知って居ても
そうするしか 出来ないのだから
「でも、この二人は春日さんの事。
自分のお姉さんみたいに、
感じてるんじゃないかなって。
なんだかんだ言って、あの伊之助が
春日さんに懐いてるから」
あげはの言葉に春日がキョトンと
目を丸くさせる
「二人が、
こうして安心して寝てるのも
ここには春日さんが、
居るからじゃないかなって。
戦うだけが、全てじゃないって
私は思いますがね。
春日さんがしてくれてる事に、
私達は、沢山沢山支えて貰ってますから。」
そう言ってふんわりと
あげはが微笑んだ
「あげは…様」
「あ、これ、春日さんに。
昨日のは虎屋だったから
違う店にしたんですけど…」
そう言いながらあげはが春日に
羊羹の入った箱を差し出した
「京都の羊羹…みたいなんですけど、
その見た目が可愛らしかったのでつい…」
そのあげはの手の紅白の箱には
ちりめん羊羹と書かれていて
「っ!あげは様、
これ…ちりめん羊羹ですか?」
その箱の中には
ピンクと黄色の反物を模した
羊羹が二本入って居て
それぞれに花柄になっている
「え、ええ。
デパートに売ってあったので。
こんな羊羹もいいかなぁっと思いまして」
「ありがとうございます。こんな
素敵な羊羹を頂けるなんて嬉しいです」
そう春日が喜びを露わにして
あげはに礼を言って来た
「えっと、お台所、今からお借りしても?」
「ええ、勿論。
食事番の者には話してありますので」
「助かります、ではお台所お借りしますね」
台所には2人の使用人の男性が居て
「これは、鏡柱様。炎柱様より、
鏡柱様がお台所をお使いしたいと
仰られた際は
お手伝いをする様にと、
仰せつかっております」