第45章 蝶の跡は月夜に舞う

「そうね、女の子は身体を
冷やしちゃダメだもの。
隊服は温度の調整も出来るから。
スカートが短くても温かいわ」


足と胸が丸出し…な所は良いのだろうか？

そう疑問には思わなくもないけど


蜜璃ちゃんの居る時に着て置かないと

貰いぱなしは確かに失礼だもんね


この隊服は…実は洋服ダンスに
ワンピースに隠してしまってあるんだ
だから丁度いいのかこの部屋にあるんだけど


はっと　あげはがある事に気が付いた


違う違う　あんな恰好したらダメだ

あの隊服　胸の辺りが丸見えだから

杏寿郎が残した蝶が見えちゃうっ


「ねぇねぇ、あげはちゃん。
あの時みたいに、
お揃いの髪型にしましょ？？
そうしたら、双子みたいになるわぁ～。
あげはちゃんのいつもの髪型も
可愛らしいけど、みつあみも素敵だもの」


「ごめん、着るってこっちから
言っておいてアレなんだけど。
蜜璃ちゃん今は、その。
悪いんだけど、…あれは着れないの。
その…実はね…ここの所に…」


あげはが蜜璃の耳にこそっとその隊服が
着れない理由を耳打ちすると
それを聞いた蜜璃の顔が
みるみる真っ赤に染まってしまって

あまりの恥ずかしさに自分の手で
両手で自分の顔を隠してしまって

ススッと指の間を開くと
蜜璃がちらっと
指の隙間からこちらを見て来て
あげはの視線を感じて
開いていた隙間をまた閉じてしまった


「あのっ、あげはちゃん…その、
お願いしたい事があるんだけど…ッ」

そう言って今度は蜜璃が
あげはに耳打ちをして来て

「えええぇええッ！！」

「そうよね？やっぱり…ダメよね？
ごめんね。私ったら、つい…。
深い意味はないのよ？ちょっと
興味が…その、あったと言うかね。
変な事言っちゃって。忘れてね？」

そう言って明らかにしょんぼりしてる
蜜璃を見ていると断るのも忍びない様な

やましい行為があった訳じゃないけど

あまり　人目に触れさせるのは
望ましい物でもない様な気もするし