第45章 蝶の跡は月夜に舞う
よしよしと
あげはが蜜璃の頭をなでなでして
「蜜璃ちゃんはそのままの、
蜜璃ちゃんで居てくれたらいいから。
可愛い蜜璃ちゃんで居て欲しい…。そ
のままで十分可愛いもん」
「あげはちゃん…?でも、良かったわ。
煉獄さんにちゃんとお話も出来たのよね?
透真さんの事、お話したんでしょ?
あげはちゃんと煉獄さんの顔見てたら
分かるもの。」
その蜜璃の言葉から
蜜璃が私が透真さんの事を
ちゃんと杏寿郎さんに話が出来たのかと
心配してくれていたのが分かって
やっぱり蜜璃ちゃんはいい子だなぁっと
感激していると
「ああ、そうだわ。あげはちゃん、
あの隊服は?煉獄さんが、
あげはちゃんがあの隊服着てるの、
見てみたいって言ってたけど。
着て、見せてあげたの?私とお揃いのやつ」
「うぇええっ?」
思わず 驚きすぎてしまって
変な裏返った声を出してしまって居て
「えええ?蜜璃ちゃんどう言う事?
杏寿郎さん、知ってるって事?
私が、蜜璃ちゃんからそのお揃いの
隊服貰ったの、知ってる訳?」
キョトンと蜜璃が目を丸くさせていて
「え、ええ。前に煉獄さんが
家にいらした時に。
私とお揃いの隊服をあげたって
話をしたんだけど。
お礼にまた桜餅届けてくれるって
その時に煉獄さんが言っててね。
今日、お礼の桜餅受け取ったから。
てっきりあげはちゃん、煉獄さんに
着て見せてあげたのかと」
もう蜜璃のその語り口を聞く限り
もう全部知ってるし
そのお礼までしてる…って事?
あの山盛りの桜餅って
そのお礼だったって事…?
あれの存在をだよ?杏寿郎は知ってて
「あの時のあげはちゃん、
すっごい可愛かったから。
煉獄さんにたぁーくさん、
あげはちゃんの事、
可愛いって褒めてあげって下さいねって
お願いしちゃったの。私。
煉獄さん、とぉーっても
見たそうにしてたし、
楽しみにしてたみたいだったから」