第45章 蝶の跡は月夜に舞う
あげはが入浴を済ませて部屋へと戻ると
板の間に上に二組の布団をピッタリと
並べて敷いてあって
蜜璃に尋ねると
私がお風呂に行っている間に
春日さんが用意してくれたとの事だった
蜜璃はもう持参して来ていた
フリフリのパジャマに着替えていて
ゴロゴロと布団の上で寛いでいた
身支度を整えると
あげはも蜜璃が寛いでいる布団の
隣の布団の上に腰を降ろした
「ねぇ、あげはちゃん…。
あ、あのね、私と禰豆子ちゃんが、
お風呂に行ってる間…
その、煉獄さんと…。
あの時のお話の
続きとかって…やっぱりしたの?
きゃあああっ、やだやだ。私ったら
聞いちゃったわぁ~、恥ずかしいっ」
蜜璃が頬を赤らめながら
もじもじとしつつ興味深々に
そうあげはに尋ねて来て
「ああ、蜜璃ちゃんが
お風呂に行ってる時の話?
うん、杏寿郎さんと話したよ。
それで、蜜璃ちゃんからの贈り物
杏寿郎さんから受け取ったんだけど。
あれ、可愛かったし、
その、…嬉しかったから…。凄く。
ありがとうね?蜜璃ちゃん」
「ああ。あれね?それもなんだけどね。
私が、聞きたいのは、
その後の事だったりとか。
ううん。いいの、忘れて?
嫌だわ、私ったら。
ああぁ、そうだ!思い出したわ。
実はね、私、あげはちゃんにまだ
、他にも渡したい物があったの。
はい、コレ。あげはちゃんの、
役に立つといいなぁ~って」
そう言って蜜璃が
あげはに手渡して来たのは
1冊の女性向けの雑誌だった
役に立つって言ってたけど
一体この女性向けの雑誌が
何の役に立つと言うのだろうか?
てか 蜜璃ちゃん何か聞きたそうに
してたけど そっちは良かったのかな?
「って、雑誌?役に立つ…様な雑誌なの?」
「愛され上手な女になれる
って書いてあったから、
ついどんな内容なのか
見ないで買っちゃったんだけど~、
そのこの本の内容は、
私にはまだっ、早いかなって。
だからきっと、
あげはちゃんにあげた方が
役に立つんじゃないかしらって。
そう、思ったんだけど……」