天谷奴零に騙されたい【ヒプノシスマイク】【短編集】
第8章 それゆけ二郎ちゃん【閑話】
二「ん?...にいちゃ...兄貴からLINE入ってる」
友達と騒いでいた昼休み
スマホがなったので見てみると
それは兄である一郎からだった
『悪いけど夕飯の具材を買ってきて欲しい、お金とメモは机の上に置いておく』
という内容だった
二「了解っと...一応三郎にも連絡しとくか」
昼休みが終わる金がなったので簡潔に文を送り
スマホをしまった
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二「ただいま〜って誰もいないんだっけか、珍しく三郎も出かけてるみたいだしな」
独り言を呟きその辺にカバンを置く
机の上に置いてあるお金とメモを取り
早々に家を出た
二「(俺だけってのは珍しいな......ん?あれ?兄貴?三郎?)」
買い物を順当に済ませていると
前方に小さくだが見知った影を見つけた
間違いなく自分の兄と弟だ
声をかけようと思ったが2人の様子が明らかにおかしく
声をかけるのを躊躇った
二「(何してんだ?兄貴ならともかく三郎まで...用事ってなんだ?)」
自分だけが知らない何かがあるのが
少しだけ寂しく感じる
二「(とりあえず近くまで行ってみるか)」
2人に気づかれないようそっと近づく
声が聞こえる所まで来て聞き耳を立てた
一「二郎は今頃買い物か...随分頼んだからまだ時間はあるぜ」
三「ですね...でももしこの辺を通ったらどうしましょう...二郎のやつ間が悪いですから」
一「そこは...まぁ何とかなるだろ、それより...遅いな」
自分の事を話しているのか
ならなぜ本人を入れないのか
内容的に自分が今している買い物は
恐らくしなくてもいいものだろう
それはそうだ
いつも自分で率先して買うか一緒に行くかだった
少しの寂しさと嫉妬を振り払うように
気づいたらその場から走り去っていた