天谷奴零に騙されたい【ヒプノシスマイク】【短編集】
第6章 2nd D.R.B どつ本ver
天谷奴零の場合
(バスブロのメンバー出てきます)
Buster Brosの勝利
それは自分にとってはとても大きな事だった
"おめでとう"とか"成長したな"
なんて言葉をかけられるほど
自分はあいつらにしてやれた事は無い
あいつらもそんな言葉は望んでいないだろう
1人タバコを吸いながら考えていた
『零さん?』
零「んー?どうしたお嬢ちゃん」
『こんな時までお嬢ちゃんですか?もう...いいんですか、3人とも帰っちゃいますよ?』
零「良いも何も、かけてやる言葉なんて無いだろ?成長したななんて言葉はあいつらも望んでない」
『そうですかね?もし私だったら、いきなり現れた詐欺師だったとしても、親なんだからって思いますけどね』
零「......」
『先に帰って待ってますから、ちゃんと...一言くらい言ってあげてくださいね?父親としてじゃなくても、グループとしてでもいいから...ね?』
そう言って帰っていく自分の女は
年下だというのに頼りに見えた
零「誰がそうしたんだかなぁ」
独り言を呟き、タバコを消した
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ゆっくり歩いていたら
目の前にお互いの健闘を称える3人がいた
歩みを進めると向こうも気づき
3番目のやつは睨み、2番目はそっぽを向いた
1番目は......まっすぐ俺を見た
零「よぉ、今日は凄かったじゃねぇか」
三郎「一兄、帰りましょうよ」
二郎「そうだよ、早く帰って一兄のご飯食べたい」
零「嫌われたもんだなぁ。ま、当然か」
一郎「あんたは...あんたも凄かった。もし少しでもズレがあったなら、俺達は負けてた。でも...勝ちは譲らねぇ」
零「そうか...」
重い空気が流れる中
俺を真っ直ぐみるそいつの目は
ギラつき輝いていた
零「はっは、若いねぇ。ま、次も頑張れよ。シブヤとシンジュクは強敵になるだろうからな」
横を通ろうとした時
彼女の言葉を思い出す
どんなでも親なんだから...と
親としてじゃなくても
戦ったもの同士としてでも
それならかけれる言葉はあるだろう
零「成長したな、頑張れよ」
3人に聞こえたかは分からない
聞こえたとしても受け取らないかもしれない
だが後ろからは"当たり前だ"
と三者三葉の言葉が聞こえた気がした