天谷奴零に騙されたい【ヒプノシスマイク】【短編集】
第6章 2nd D.R.B どつ本ver
白膠木簓の場合
乙女「first battle...勝者はBuster Bros!!!」
歓声が起こる
オオサカは怒涛の追い上げをしたものの
惜しくも勝ちをBuster Bros!!!に譲る形になってしまった
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簓「いや〜、おつかれちゃんでした!盧笙、零!惜しかったなぁー!」
盧笙「すまんな...力不足やったと思う」
零「そう気を落とすなって、酒でも飲んで次に繋げようぜ。今日はおいちゃんが奢ってやるよ」
簓「ほんまか!?...なんかあるんとちゃうやろな?」
零「おいおい...さすがに今日はそんな事しねぇよ」
盧笙「"今日は"...?」
簓「まぁまぁ気にせんと!パァーっと行きまっか!」
3人はいつも通りだった
バカやってアホやって
笑顔だった
簓「ん?...あ、どないしたん?」
簓はこちらに気づき声をかけてきた
『あ、えっと...とりあえず、お疲れ様!』
簓「おう!ありがとうな!せや、も一緒にどうや?おつかれちゃん会、来るやろ?」
な?な?と細い目を光らせて頼んでくる
『うん!もちろん!』
お疲れ様会が始まってしばらくすると
盧笙は酔っ払い熱いことを語りだし
それを零が送り届ける事になった
零曰く「彼氏は彼女を送るのがマナーだ」との事
そのため今は簓と2人きりだ
簓「いやぁ、盧笙はやっぱおもろいなぁ!」
『ねぇ、簓』
簓「んー?どないしたんー?」
簓は酔うと笑い上戸になる
だが今日は少し様子が違う
『やっぱり悔しいんでしょ?彼女の前でくらい、大丈夫だよ』
簓「......」
しばらく無音が続く
簓「はぁ...適わんなぁ...そりゃ悔しいに決まっとるやろ!絶対てっぺん取ったる思うてた...盧笙と、零と...今度こそって...っ」
いつも笑顔でみんなを笑わせている簓は
顔をゆがめ、心からの言葉を口にした
簓「あそこまで追い上げたって、取らな意味ない...応援してくれとるみんなにも申し訳ない...くそ...ちっくしょう...っ」
声にならない嗚咽を漏らし涙を流す
リーダーとしていつも通りに振舞っていたのだろう
ライブ終わりのコメントもネタを入れ
みんなを笑わせていた
だが悔しいものは悔しいはずだ
零はそれに気づいていた