第5章 体育
「自分で言うのも何だけど、記憶力は私いいほうなんだからね!」
「へー…。」
「へー…って、信じてないでしょ?」
「だって例がないし。」
白井くんは絶対信じてないと、態度からして分かった。
(白井くん、信じてないな?よーし、こーなったら~)
「わ、私…、隣町に住んでいる7人兄弟全員の、好きな食べ物と好きな色知ってるよ?す、すごいでしょー!」
「そうか?オレ、10人のいとこの好きな色、食べ物、動物、全部知ってるけど?」
(うっ、さり気なくコイツ、ドヤ顔しやがった…。ムカつく~~!!!)
白井くんは、私に張り合うように自慢気に言ってきた。
私も負けじと張り合う。
「じゃ、じゃあ…担任の先生の家の屋根は何色?」
「赤。」
「……じゃあ、体育の先生のほうきの色は?」
「黒。」
「じゃあ…じゃあ……」
「まだやんの?もういいだろ。記憶力だけすごい宇宙さん?」
(むっかーー!!)
「もうっ、頭にきた~~~!!バカにしてー!」
「だって本当だろ?」
「もーーー!!!」
「もーって牛かよ(笑)」
「うるさーい!!」