第1章 夢と憧れ
私がお届け人に目指すきっかけとなったのは、小さい頃に白いほうきに乗っていたあの人に助けてもらったからだ。
私を、助けてくれたあの人に会ったのは、あれはまだ私が小さかった時だ。
昔からドジで、よく転んでは泣いてたっけ…。
「え~~ん!痛いよぅ…!!」
おまけに泣き虫で、いつも泣いてた。
そんな時、
「どうしたの?」
あの人が優しく声をかけてくれた。
「転んだの?どこか痛いの?」
「ひっく…ひっく……。」
「膝、怪我してる…。待ってて。今、手当てしてあげるから!」
泣いてばかりの私を、その人は手当てしてくれて、とても優しい人だった。
「はい、終わり!…ほら、もう終わったんだから泣くなって。」
「う、うん…。」
「よし、いい子だな~!」
そう言って、私の頭を撫でる。
その人の手は大きくて、あったかくて、涙なんか、どっかにいってしまうほどだった。