第5章 体育
「何やってんだよ。」
私の行動を見た、白井くんが少し呆れた顔で見ていた。
「へ?いや、べ…、別に何でも?えへへ…。」
私はとぼけたふりをした。
(背が小さいから見えないなんて言ったら、またバカにされる~!)
と思っていると、白井くんが急に私をだっこして、
「!!!」
(ちょ、な、何やってんのよ!!)
私は恥ずかしさの余り、声にならなかった。
「ほら、これなら見えるだろ…?」
白井くんにだっこされたら、バッチリ向こうが見えた。
「あ、ありがとう…。」
(白井くんって、いきなり行動起こすから、なんか…どういう反応したらいいか分からん…。
私を助けてくれた日から、なんか白井くん優しくなったっていうか…、
初めはあんなに生意気だったのに…。
こんな優しい一面もあるんだな。)
私は白井くんの見たことない姿に、少しドキドキしていた。
これが恋と気づくのは、まだ先だろう。