第5章 体育
少しして先生が教室に入ってきた。
「卒業試験の話するから、座れー。」
先生の呼びかけに応じて、みんな座る。
みんな席についたと確認すると、先生は話し出した。
「よーし、じゃあ卒業試験の内容を軽く言うぞ~。
まず、今回のテストは2人1組で受けるから、チームワークが大切になってくる。
2人で分担して各それぞれの家に、早くかつ正確に届けることが、合格の鍵となるぞー。」
「先生ー!荷物を届ける家は、どれぐらいの数ですか?」
と、ある1人の生徒が聞いた。
「数とか、詳しいことはまだ決まってないんだ。
先生が言えるのはここまでだな。
んじゃ、今日も1日頑張れよー。じゃ、終わりー。」
先生はそう言うと、教室をあとにした。
…と思ったが、
「ごめんごめん、言い忘れたことがあった。」
と言って、再び話し始めた。
「今日の体育は、一流のお届け人の人来るからな~。
ちゃんと、遅れずに来るんだぞ。」
「マジかー!」
「かっこいい人がいいなぁ!」
「え?女の人がいい!」
教室中がざわざわと、ざわめきだす。
(一流のお届け人?!
一体、どんな人が来るんだろう…?)
私も期待に胸が膨らむ。
まさか…、
白いほうきに乗ったあの人…?
…いや、
そんな訳ないよね。