第3章 練習
「んじゃ今日は、木々の間を飛んでみろ。
授業でやってるの見たから、大丈夫だな?」
「た、たぶん…大丈夫。」
私は少し自信なく答える。
(今度は障害物があるから、難しいなぁ…。)
と思っていると、
「まぁ、初めはゆっくりでいいから。やってみろ。」
と白井くんが言った。
「うん!」
(まずは、やってみなきゃね。…よし!)
私はほうきにまたぎ、深呼吸する。
「すーはー…。」
「いいか!焦らず、ゆっくりだ!」
「……。」
白井くんの言葉に、私は黙って頷く。
私の足が地面から離れる。
ふわっと宙に浮くのが分かる。
ゆっくりと目を開けた。