• テキストサイズ

〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第9章 調査兵としての日々


エルヴィンから伝えられた時刻に立体機動装置を装着して指定された場所へ来たジル達三人はその場にいるだろうエルヴィンを探す。
当たりを見回しているとエルヴィンは簡単に見つかった。
エルヴィンの班員たちなのか、数名と何か話しているエルヴィンに近寄り、ジルが声を掛ける。

「えっと、エルヴィン…さん」

ジルは班員達がいる手前、新兵に呼び捨てされるのはエルヴィンの立場が無いだろうと考慮して取って付けたような“さん付け”でエルヴィンを呼んだ。

「あぁ、ジル。
変にさん付けで呼ばなくても今まで通りで構わないよ。
ここにいる連中はそんな事なんとも思わないさ」

朝もそうだったが、昨日本当に何も無かったかのように振る舞うエルヴィンにジルは自分一人だけがギクシャクしてるのも馬鹿らしくなってきたと感じ、思う事は色々あるが昨日の事は何も無かったと改めて思い直し、エルヴィンと同様に普通に接する事に決めた。

エルヴィンからの話を聞くと、調査兵団で使ってる訓練場はマリアの内側にある森にあるらしく、馬で移動すればすぐとの事。
入団式を終えておらず、調査兵団で宛てがわれる己の馬をまだ持ってない三人は荷馬車に乗って向かうとの事だった。

ジル達三人はエルヴィン班の班員らと挨拶を交わした後、荷馬車へと乗り込んだ。
エルヴィン班の班員の一人である荷馬車の馭者は三人が乗り込んだのを確認すると荷馬車を走らせた。




エルヴィンが話した通り、荷馬車に乗り込んでそう時間が経たないうちに訓練場である森へと到着した。
当然の事ながら、エルヴィン班だけが訓練場を使う訳ではないので他の調査兵達もこの訓練場で訓練を行っていた。
彼らの訓練の様子を見て、この森で日々、調査兵達が腕を磨いてると思うと新兵である三人は身が引き締まる思いだった。




「どうする?先に俺たちがやってるのを見学させてから訓練に入るか?」

エルヴィン班の一人である調査兵がそうエルヴィンに切り出した。
それにエルヴィンは「それが良いだろう」とジル達三人を一旦下がらせた。
そして準備を終えたエルヴィン班の班員は森に設置された模型を使って訓練を開始した。
/ 149ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp