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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第3章 飽くなき探求


エルヴィンの家にジルの母が迎えに来てジルは父が待つ自宅へと帰って行った。

自宅へ戻ると父に帰宅した事の旨を告げ、母は夕食の仕度をする為に調理場に入っていく。
ジルも父にエルヴィンと話した事を尋ねたかったが、それは夕食後でも良いだろうと、母を手伝う為、同じく調理場へ入っていった。





夕食の一家団欒が済むと父は書斎に、母は食後の片付けを行っていた。
ジルは母を手伝いたい気持ちはあるが、エルヴィンと話した内容を父に確認したい気持ちのが勝り、母に一言声をかけ父のいる書斎へ向かった。



コンコンっと書斎の扉をノックしてから中にいる父に声をかける。

「お父さん、今大丈夫ー?」

ジルの声に反応した父は、扉を開け娘を中に招き入れた。

「どうしたんだい?
何か聞きたいことがあるのかい?」

娘の頭に手を置き、優しく頭を撫で付ける父の顔は、
やさしい表情だった。

「うん、あのね。
今日、エルヴィンと話してた事でちょっと分からない事があったの」

「ふむ、珍しいな。
エルヴィンもわからなかったのかい?」

エルヴィンの父と親交があるジルの父は、
エルヴィンもその父と同様に賢い子だと認識していた為、ジルの質問で分からない事があるのかと、珍しがる。

「うーん、私がっていうよりエルヴィンのが気にしてた!」

娘のこの言葉に父は少し驚いた。
きっと、娘が頓珍漢な質問をしてエルヴィンを困らせたのだろう、と。

「それで、どんな話なんだい?」

「んとね、エルヴィンが今日、授業の時にエルヴィンのお父さんに質問した事なんだけどね。
壁外に人類がいないってどうやって調べたのかが、気になるみたい」

それまで柔らかい表情をみせていた父の顔は一瞬で真面目なものへと変わっていた。
その変化を感じ取ったジルは幼いながらも、
これはいけないことを聞いてしまったのかと思った。
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