〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第7章 訓練の日々
食事を終えた二人は食堂から、午後の座学が開かれる講堂へと移動してき
た。
本日の講義の内容は…
巨人は何処から来るのか?巨人の弱点、巨人討伐に有用な武器について等の基礎的な内容だった。
基礎的な座学が終わると、今度は体力作りの基本の筋力トレーニングだ。
「貴様ら俺が良しと言うまで腕立てを続けろ」
そう教官が言ったのは今からどのくらい前だろうか。
既に何人かは地にふせてしまった者もいた。
ジルもそろそろ限界に近い。
開拓地にて体力作りを兼ねた労働をしてたとはいえ、これはキツイ。
「良し、そこまでだ。
三分休ませてやる。
そしたら今度は腹筋だ。
勿論俺が良しというまでだ。
あぁ…言うのを忘れてたが、
俺の許可なく勝手に止めたりした者はトレーニング後にペナルティがあるから覚悟しておくことだな」
先程、良しの号令が掛かる前に地に伏せた者へ言ってるのだろう。
ペナルティがあるなら先に言っておけよ…とこの場にいる者は思うが、そんな事は言えずに黙って三分休む事に集中した。
次の腹筋もペナルティがあると知りつつも脱落する者は何人もいた。
当然ジルは号令が掛かるまで残った。
午前もペナルティを受けて、今回もなんて…勘弁だ。
ペナルティの内容は宿舎周りの敷地の草抜きだった。
なかなか広い敷地の上、一日の訓練後に草抜きは地味に堪える。
それに、さっさとやらないと夕食に間に合わない。
まだ自分らがやらないといけない当番の諸々もあるのだ。
ジルはペナルティを受ける同期達に心の中で哀れんだ。
自分に課せられた当番は一週間薪割りなので、昨日と同じく薪割り場へ向かう。
つまり、ミケも一週間同じ当番という事になる。