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〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─

第7章 訓練の日々


午前の訓練が終わったのか、走っていたジルのもとに教官が訪れた。

「ジル・ラディウス訓練兵」

名を呼ばれれば走っていた足を止め、敬礼を返す。

「ラディウスよ、十分に身体は動かせたか?」

「はっ!満足致しました!」

「そうか、なら午後からは座学だ。
身体を虐めたくないなら、大人しくしている事を学べ」

そう言い捨てた教官はさっさとその場を後にしていた。
教官がいなくなった事を確認したジルはその場にへなへなと座り込んだ。
すると、それを見ていた同期たちがワラワラと集まってきた。

「ジルー!
だ、大丈夫?」

ユリアナが心配そうな顔でこちらを伺ってきた。
そしてもう一人声をかけてきた人物がいた。

「あの!ジルさん!
僕のせいでごめんなさい…」

先程助けたオリヴァー・マルクスだ。
彼は女子と間違われそうなほど華奢な見た目の男子である。
そんな見た目の男が申し訳なさそうに眉を下げれば、もう完全に女の子にしか見えなかった。
そんな馬鹿な事を考えていたジルはオリヴァーに返事をする。

「ジルでいい。
あと私が勝手にやった事だから気にしないで。
目の前で人が落ちていくのを見てられなかっただけ。
でも、次はもう助けないから自分で何とかして。
また走らされるのはごめんよ」

そう冗談気味に言えば、オリヴァーは馬鹿正直にわかった!ジルに迷惑掛けないように気をつける!と真面目に返すのだった。
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