〖進撃の巨人〗Raison d'etre ─贖罪の贄─
第7章 訓練の日々
崖下へと勢いよく飛び込んだジルは既のところでオリヴァーの回収に成功した。
そのまま着地するとオリヴァーを降ろしてトリガーを操作し、岩肌に刺したアンカーを抜くとワイヤーを巻取った。
オリヴァーが礼を言おうと口を開くが、それよりも早く教官から声がかかった。
「ラディウス、誰が勝手に動いて良いと言った。
貴様、英雄ごっこのつもりか?」
「…いえ」
「そうか、まだまだ身体を動かし足りないらしいな。
そんなに身体を動かしたかったとはな、俺も気づいてやれなかったみたいだ。
それならラディウス貴様は今日の午前の訓練には出なくて良い、訓練が終わるまで走ってろ」
そう言われてしまえば大人しく従うしかない。
勝手な行動を取ったのは己だ。
兵士は命令には絶対だ。
兵団組織とは自分勝手な単独行動が許されるはずの無い場所なのだから。
そう言い聞かせ、
ジルは訓練所で走り込みを開始した。
その時ミケがジルを見て鼻で笑っていたのをジルは見てしまいムッとしながら走っていた。