第5章 番外編
時雨が体が先に動く"行動型"なら、雨音くんは頭で考え相手を追い込む"思考型"。
現に。
すでに時雨は彼に対して怯えまくってる。
その顔は、男を余計に煽るって知らないんだよね、時雨。
「や……ッッ、だ」
着たままだったパーカーのジップが開けられて。
肌が、晒される。
「………これ、教授の?」
毎夜時雨を抱く度に着けた赤い華、は。
1日おいたところで消えるはずもなく。
それは余計に。
たぶん彼を苛つかせた。
痕をなぞるように指先を肌へと這わせ。
そのあとを、唇が吸い付く。
下着を着けていない時雨の豊満な胸は、先ほどの行為の余韻を十分に残して、いて。
それを男なら、見逃すはずない。
「……っぁ……ッッ」
迷わず指先と、舌で、責めたてた。
「ぃっ、ぁん…っ、やぁ」
ガチャン、ガチャガチャと、暴れる度に響く金属音。
「た、す……ッッ、きょーじゅ、たすけて、おねが……っ、も、むりやだっ」
頭上へと座るこっちへと、頭を反らし向けられた視線。
すがるように揺れた瞳。
「………ッッ」
目を細めて微かに微笑めば。
絶望の色へと、変化した。