• テキストサイズ

暗殺者の正しい飼い方しつけ方

第5章 番外編  


『は?時雨を?……そーゆーのはさ、ちゃんと合意のもとやれよ。犯罪じゃん』
『時雨よりは常識あるんですね、雨音くん』
『…………』
『合意なら、協力してくれますか?』
『は?』
『時雨が私を好きなら、問題ありませんね?』
『まだ好きとかそーゆーの、時雨にはわかんないんじゃね』
『大丈夫ですよ』


『………』


自信満々に言ってのけるこいつにむかついて。
つい売り言葉に買い言葉。
承諾したのは、認める。




でも。
これ………は。

あり?



「………っ」


時雨、弱すぎだろ。
なんでこんな、こんなやつにいいようにされてるのか、今わかった。
全然時雨の意志じゃねーじゃん。
こんなの。
これなら、俺だって………ッッ





「あ、まね………?」






時雨のアイマスクが、外されて。
涙で目を真っ赤にした時雨の、トロンとした瞳が俺を見て、青ざめるようにその面積を拡げていく。


「なん、で………」





ゴクン、て。
生唾が喉を勢い良く通りすぎて。
それが。
合図になった。







ガシャン!!


て。
すでにとっくに外していた手錠を引きちぎるように振り払って。
勢い良く時雨の唇を、奪う。



「んッッ!?」



教授に抱き抱えられていた頭を奪い、強引に舌を捩じ込んだ。
ガクン、て。
膝が折れて座り込む時雨に合わせて、しゃがみこみ。
唇から逃れようとする時雨の顔を両手で押さえ込み、唇をさらに深く重ねた。



「んッッ!!んぅ……っ、んんんッッ」


舌を捩じ込む俺を拒むように時雨の舌が、邪魔をする。
1度少しだけ唇を離して、親指で時雨の舌を押さえ込み、さらに喉奥まで舌を差し入れた。




「こーらがっつかない。時雨苦しがってますよ」


「ぇ」



ぐい、って引き剥がされて。
改めて時雨を見れば、涙目になりながら咳き込んでいるところで。


「ご……っ、めん時雨俺………ッッ」


悪いと思ったのは、事実。
ほんとに事実。
だけど。
泣きながら掌で唇を拭う、時雨の視線が。
俺を睨むように見た上目遣いが。


理性を全て。



奪った。
/ 56ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp