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暗殺者の正しい飼い方しつけ方

第3章 殺し屋業、復帰!!



「時雨はこれで良かった?」


「教授がそう望んだんでしょ?」
「普通に生きたいって、思わない?」
「産まれた時から狂ってるの。今さらまともになんてなれっこないと思う」
「まともじゃない自覚、あったんだ」


乱れたシーツにすっぽりと身を包み、タバコを吸う俺へとぷくっと膨れて。
ごろん、と。
時雨はうつ伏せに起き上がった。


「たぶんね、あたし遅かれ早かれ、『こう』なってたよ?」
「え」
「染み付いた血の臭いも感触も、簡単には取れないよ。教授が引き出してくれなかったらあたし、違うところで大暴走してたかも」
「ん?」
「この衝動の発散の仕方も、教授が教えてくれたし」


背中に触れる、唇の感触。
這う、舌。


「あんだけ『やだやだ』泣いといて、まだ足りない?いじめ足んなかった?」
「教授って、"私"と"俺"で人格変わるよね」
「そう?」
「うん。"俺"の教授はすっごく意地悪」
「そうかな」


タバコの火を打ち消して。
ぎしっとベッドを軋ませ顔だけで時雨を振り向く。
そのまま見上げるように時雨の唇を奪えば。
嫌そうに顔を歪めて離れていく。


「美味しくない。タバコ吸うならキスしない」
「大人の味だよ。あと数年したら吸ってみれば」
「別に吸いたくない」
「大人になれば味覚変わるかも」
「別に変わんない」
「?何の話?」
「大人の話でしょ?あたし22だよ。美味しくないものは美味しくない」



「…………」



は?



「━━━━はぁ?」

「なに、なにが?」
「22って、誰、お前じゃないよな?」
「教授口調乱暴になってるよ」
「時雨って、22なの?」



首やら肩にやたらとキスをしてくる時雨を引き剥がし、向き合う。

「なに?なんで?」


不機嫌そうに睨むその表情も、仕草も。
外見も。
まるで16の少女そのものなのに。

「教授はあたし、いくつだと思ったの」
「良くて、18くらいかと……」
「………逆に、教授は年端もいかない少女にこんなことしてたわけだ」
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