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暗殺者の正しい飼い方しつけ方

第3章 殺し屋業、復帰!!





「ベッド……濡れちゃ……ッッ」
「大丈夫。他にも部屋はあるから」



浴室から時雨を抱き抱えて、キスをしながら腕や肩で、2、3個のドアを開ければ。
寝室へと到着する。
そのままベッドへと寝かせ、唇を奪う。




「ま……っ、まってきょーじゅ!きょ、ぉなんか、へん……」
「変?」
「きす、いっぱい……、いじわる、だし」


時雨の小さな両手のひらでぐぐぐ、と。
唇が塞がれて。
キスが中断。
そのまま時雨の手首を取り、掌へと舌を這わせた。


「ひァぁっ」


「時雨の興奮が、うつったかな」
「あ、あたしの……?」
「帰って来てからずっと、血の臭いに興奮してたでしょう?」
「こう、ふ、ん?」



『血の臭いがする』
『嫌な感じ』



「え?」
「鮮やかでしょう?キレイでしょう?人から流れる血液は」
「………きょ、ぅ、じゅ?」


思い出すだけで、血が騒ぐ。
興奮する。
忘れられないあの高揚感。
肌を切り裂く瞬間飛び散る血液の鮮やかさ。
温度。
忘れられない。
だから俺は、未だに『ここ』に、いる。



「目、が……」
「ん?」
「教授目が、笑ってる………」


顔へと両手を伸ばして、時雨が真下から俺を見る。


「そっか………。教授も抜けられないんだね。『ここ』から」
「時雨……」




そうだ。
たぶん、抜けられないのは俺の方。
血の味が忘れられない。
騒ぐ血を止められない。
だから時雨を巻き込んだ。
昼間見た時雨の表情。
瞳。
人を傷付けることに躊躇しない、時雨の感性。
はじめて会った時の、時雨の殺人に対する、罪悪感の欠片もない瞳。
同じだと、思った。
救いたい、と思った反面、救われたいと思った。



「教授もあたしと、同じだね?」



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