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暗殺者の正しい飼い方しつけ方

第2章 絶賛失業中、です。







「ねぇいい加減これ、取っていい?」
「だめです」
「だってすごく、歩き辛い」
「振動止めてるでしょう?」

「…………」


駅から降りたところですぐに階段を、降りて。
登って。
繰り返してるうちにさすがに歩けなく、なって。
そこで漸くあのぶるぶるは止まった。
ここで争ったところで主導権はあっちにある。
またあれが再開されたらやだ。
だから仕方なく。
そのまま教授の後を渋々ながらもゆっくりと、着いていけば。




「………ここ?」


「そう、すぐ戻りますから待っていてもらえますか」


着いた先は。
何の変哲もない、雑居ビル。
裏通りにそびえ立つそれには、あんまり好感度は上がらない、けど。
片手をヒラヒラと笑顔で降りながら、薄暗い階段へと消える教授を見送った。
教授と離れれば、あのぶるぶる、消えるし。
なにより先ほど買って貰った生クリームとカスタードたっぷりのクレープ。


「………っ」


ガードレールへと腰をおろしてクレープを堪能しようとしたけど、なかに挿入れられたままの機械が変なとこあたる。
仕方ないから軽く寄りかかって、甘いクレープをペロリと一口、口へと入れた。





「おねーサン」
「?」


クレープへと落としていた視線を、遮られた光へと、向ける。

「あたし?」
「そう、こんな辺鄙などこで何してんの?」

何。
何、って。

「……クレープ、食べてる」


めちゃくちゃ手に持ってきますけど、クレープ。
何言っての、こいつら。


「この通り出たところにさ、美味しいケーキ食べれるところあるんだけど」
「ケーキっ!?」
「そう、甘いの好きなの?」
「好き!!大好き!!………あ、でも教授にここで待っててって言われた」
「教授?」
「そう、怖いの」
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