第2章 絶賛失業中、です。
「………っ、ぅあ、ぅぅ〰️」
「どうしました?気分悪い?」
ガタンゴトンと揺れの激しい電車の中。
ドアに凭れるようにして俯くあたしを囲うように、教授が両手をドアへと伸ばしたままにあたしを見下ろす。
「ねが……っ、これ止めて……。気持ち、悪……」
スカートの裾とお腹を握りしめてそう、小さく言葉にしても。
この人はただただ楽しそうに笑うだけで何もしてくれない。
「……なんで今日、電車……ッッ」
「たまには、満員電車もいいでしょう?」
「………っ」
振動が余計に重くのしかかって。
気持ち悪い。
もう早く、駅、ついてよ………ッッ。
「!!」
教授の片足が足の間へと割って入ってきて。
ビクン、と震わせ教授を見上げる。
見上げた教授は、楽しそうに口角を上げて。
人差し指を口元へと、持っていった。
「時雨」
そのまま少しだけ屈んで。
耳元へと顔が近付く。
「止めて欲しかったら、耐えてくださいね?」
「…………ッッ」
ぐ、と。
膝が押し付けられて。
ついでに背中がドアへと完全にくっついた。
ガタン、ガタン、て。
電車が揺れる度に背中にも振動が伝わって。
押し付けられた膝が、浅いところに挿入れられた"異物"を刺激する。
「きょ、じゅ……っ、はな、しッッ、背中、ブルブル、する……っ」
「背中?ああ……。満員なので、仕方ないですよ」
「それ足……っ、押し付けるのやめ…ッッ」
足の間へと割って入る教授の膝に体重をかけないように身体を浮かそうとすれば、自然とドアに凭れかかる形となるわけで。
「時雨が逃げるから悪いんです」
「ち、が……ッッ」
耳へと顔を近付けて。
耳から脳まで届くように甘美な、声、と。
吐息。
が、耳を犯す。
瞬間。
「━━━━!!」
一瞬力の抜けた体はそのまま教授の膝へと体重がもろにかかり。
声を出しそうになったところで。
抱き締められた教授の肩が、それを押さえ込んだ。
「弱いですねぇ、ほんと」
くつくつと肩を震わせる教授へと、寄りかかりながら向けた鋭い視線。
それを教授は。
恍惚とした表情で、絡めとった。