第2章 絶賛失業中、です。
これが、合図。
あたしたちだけがわかる、ふたりの合図。
「ここ、で?」
「まさか」
「?」
にこりと笑って。
ポケットから教授が取り出したもの。
「………ッッ、やだっ」
見覚えのある、それは。
一気にあたしの体温を急降下、させた。
「好きでしょう?」
「好きじゃ……ッッ、ない!!」
「往生際、悪いですね。━……お尻となか、どちらがいいです?」
「ぇ」
「特別に選んでいいですよ」
「………えら、ぶ、って」
どっちも、やだ……っ
「選べないなら両方蓋しましょうか」
「ぃ、や……ッッ」
「うん、なら、選んで?」
「…………っ」
こんなときの教授は、本気だ。
泣いても叫んでも。
むしろ泣いて叫んで懇願されるのを、待ってる節がある。
「………な、か」
「りょー、かい」
っつぷ。
って。
冷たい無機質な機械が、なかへと押し込まれていく。
感覚が。
ぞくぞく、する。
お腹、苦し……っ。
「やッッ、嘘………っ」
浅い。
すぐ近くに挿入れられた、小さな機械。
懇願するように教授を見上げれば。
くすりと意地悪に笑って。
"それ"はなかで素早く蠢いた。
「━━━━━ッッ」
これ。
浅、すぎて。
振動が。
すぐ上の、刺激されてないはずの突起にも伝わる。
「や、やだ………ッッ」
スカートの上からぎゅう、とその場所を押さえれば。
ガタン、とエレベーターが動き出した。
「ぇ」
「お出掛け、参りましょうか。時雨?」