第1章 出会い
「はぁはぁ…間に合った…」
「ったく今日じゃなくてもいいだろ…」
なんて言いながらたしかにと納得している。ぼけ及川と言いひどいよっと言っている姿はなんだか中学時代を思い出させるような光景で少しふふっと笑ってしまう。やっと息が整ってきて及川が口を開く。
「久しぶりだね。今日試合見てたんだね。どうだった。」
それを聞くためになぜ走ったのかはわからないがいのりは答える。
『あ、すごい及川さんを中心にみんな個性豊かで見ていてすごく楽しかったです…』
試合を見た感想をそのまんまに伝える。今思い出しても鮮明にあの楽しそうな雰囲気を思い出すことができる。それくらい印象が強かった。
「よかった。そう思ってくれて。実はさ今マネージャー探していて、よかったらまたいのりちゃんにお願いしたいなって思ったんだよね。どうかなどうかな」
目をキラキラさせながら及川はいのりを見る
「今までのマネージャーが及川目当てであまりマネージャーらしい仕事をしてくれなくて困ってるんだよ。だから水瀬だったら中学の経験もあるし俺らも安心して仕事を任せられる。どうだ」
岩泉も懇願してきていのりも戸惑ってしまう。