第1章 出会い
急なお願いにいのりも戸惑ってしまう。正直その頼みを聞いてうれしいと思ってしまった。またバレーにかかわれることや必要とされていること。しかし今の自分にマネージャーをするという時間はあまりない。ましてや強豪だからほぼ毎日のように部活や土日は試合があるだろう。毎日部活にも行けない自分にマネージャーをする資格はないのではないかと思うと安易にマネージャーを引き受けることができなかった。
『あの…正直そのお願いはうれしいですがマネージャーをすることはできません。すみません。』
「えぇ!なんで!なんで!」
断った瞬間及川が勢いよく食い気味に聞き返す。
少しあとずさり気まずくなったのかこの場を立ち去りたくなる。
『あの…ごめんなさい。マネージャーは無理です!それじゃ失礼します!』
と言っていのりは走って立ち去ってしまった。あ、ちょ待ってっといったときにはいのりは角を曲がっていなくなっていた。
いのりが去った場所には勢いよくお辞儀したときに出てきた一枚の紙があった。その紙を及川は拾い上げる。その紙を広げてみる。
そこには選手の特徴や鍛えたほうが良いポイントなどをまとめた紙だった。
「岩ちゃん、これ見たらますますいのりちゃんをマネージャーにしたくなったよ」
岩泉もそうだなと言いながら同意した