第4章 覚悟
花巻side
『好きです…。私花巻先輩のことが好きなんです。』
「…えっ。」
大雨の中暗い部室で水瀬から言われる突然の告白。正直俺の心臓はバクバクしていた。
(情けないな俺…。俺がしたかった告白を年下の女の子から先に言われるなんて。)
水瀬は続けて俺に想いを伝えてくれる。朝の出来事。部活のこと。そして…。
『花巻先輩が好きです…。嫌いにならないで…。』
「嫌いになんてなるかよ!」
俺は勢いよく振り返り水瀬を抱きしめた。
(嫌いになんてなれない。一緒にいたらいた分だけ好きになる。どれだけ気持ちを押し込もうとしたか。でももうそれも必要ない。だから俺にも伝えさせてくれ…。)
「俺も…水瀬 が好きだ。笑った顔が好き。一生懸命なところが好き。恥ずかしがる姿も好き。 水瀬の全部が好き」
やっと伝えることができた。水瀬に先を越されたけど自分の気持ちに正直になれて少し楽になった。
水瀬は混乱してるのか俺の気持ちを信じてくれない。
嘘じゃないことを証明するには行動で示さないとな。
「嘘じゃねぇーよ。ならこれで信じてくれるか?」
俺はちょっとかがみ 水瀬の口にそっとキスをした。
『っ…⁉︎』
「どう、信じてくれる?」
水瀬は顔を真っ赤にしていた。 水瀬はコクコクっと首を縦にふり俯いた。
(かわいいな…。絶対に大切にするから)
俺はもう一度 水瀬を抱きしめて好きだよと伝えた。