第4章 覚悟
大雨と雷のせいで暗くなった部室。 あたりは雨の強い音が鳴り響くなかいのりは花巻の背中をぎゅとしがみつき頭を背中に合わせる。
「 水瀬⁉︎」
『好きです…。私花巻先輩のことが好きなんです。』
「…えっ。」
一瞬静まり返るなか いのりは続ける。
『朝花巻先輩が女の人と話してるのを見て私すごくモヤモヤして。花巻先輩に八つ当たりして…。ごめんなさい。』
いのりは必死に花巻に伝えようと頑張るも声は震えて小さくなる。
『花巻先輩が好きです…。嫌いにならないで…。』
「嫌いになんてなるかよ!」
花巻は勢いよく振り返ると いのりを抱きしめる。
「俺も… 水瀬が好きだ。笑った顔が好き。一生懸命なところが好き。恥ずかしがる姿も好き。 水瀬の全部が好き」
『ほぇっ…。ほんとですか…。』
花巻の言葉に いのりは頭が追いつかなくて混乱してる。
「ほんとだよ。好きだよ 水瀬」
『えっ、う、嘘です!』
「嘘じゃねぇーよ。ならこれで信じてくれるか?」
そういうと花巻はかがみ いのりの口にそっとキスをする。
『っ…⁉︎』
「どう、信じてくれる?」
部室は暗いがうっすらと顔が見える距離で尋ねると いのりは顔を真っ赤にしていた。 いのりはコクコクっと首を縦にふり俯いた。