第4章 覚悟
いのりside
外は雨が次第に強くなってきた。電車も本数を減らして運行してるらしく帰宅が危うい生徒もいるということで部活は早めに切り上げ帰宅することになった。
私も帰る電車を確認しようと思い携帯を開くとお母さんから[電車止まってると思うから遅くなるけど車で迎えに行くから学校で待ってて]とのことだったので監督に許可をもらい学校に残ることにした。
及川先輩にも帰りを心配されたが迎えに来てくれるということを伝えた。誰もいない部室でこれまでの試合や練習のデータをまとめる。しかし今日のことを反省しあまり手につかなかった。
すると扉の方ががらがらと開く音がした。扉を開けたのは花巻先輩だった。
『は、花巻先輩…。』
今は正直言って花巻先輩とは会いたくなかった。さっきのこと謝らないといけないと思ってるのに言葉が出ない。
「おう水瀬。なんだまだ残ってたのか。」
『お母さんが迎えに来てくれるみたいでここで待たせてもらってます。』
「そっか。そういえば水瀬体調とか大丈夫か?なんかさっきの部活いつもと違かったから。なんかあったら話聞くぞ」
『っ…。』
違う体調は悪くない。やっぱりさっきの態度よくなかった。わかった。もやもやの正体はやきもち。私はあの女の人にやきもち焼いてたんだ。
でもそんな気持ちは花巻先輩に伝えられない。
『花巻先輩には関係ないことです。ほっといてください』
「ほんとに大丈夫か?」
花巻先輩が心配してこっちに来る。だめ。今の私の心の中はドロドロで真っ黒だから。
『ほっといてください!!』
あたりは雨の音しか聞こえず静まり返る。
「あーそうかよ。悪かったな。んじゃ俺帰るわ」
違う違う。こんなことを言いたかったじゃない。花巻先輩の方を見ると部室から出ようと扉の方を見ていた。
『ちがっ…まって…。』
私は立ち上がり花巻先輩を追おうとすると急にピカっとひかり大きな音がどーんっ!!と雷が落ちる音がしたと同時に部室の電気は消えた。
気づけば私は花巻先輩の制服をつかみ後ろからしがみついた。