第3章 変化
日曜日。 いのりお母さんは朝から仕事へ行き今は家に いのり1人だけ。
(お母さんごめんね…ちょっとだけ借りるね…)
心の中でそう呟きお母さんの化粧ポーチの中からチークとアイシャドウを取り出す。
昨日電話で遥から教えてもらった化粧を少しする。服も髪型も遥のアドバイス通り行う。服のトップスはちょっとフリルのついた白いブラウス。パンツは薄いベージュのハイウェストのパンツ。髪型はハーフアップにまとめる。すると携帯が鳴る。相手は遥だった。
「もしもし?おはよー準備できた?」
『おはよ!なんとか最後におかしくないか見てほしい…!』
「はーい」と返されるとビデオ通話に切り替える。
『ど、どうかな…?おかしくない?お化粧とか初めてで…』
「すっごいかわいい!また化粧の仕方とかは教えるから大丈夫!楽しんできてね!」
『うん…!ありがと!じゃ行ってきます!』
「頑張ってね」
遥に褒められ少し自信がでた いのり。時間はもう10時を回りここから駅まで歩いて20分ほどの距離。 いのりは持ち物確認と最後の最終チェックをし家を出る。
駅に着いたのは10:30。もうすぐです電車が来る。昨日好きと意識したら昨日はなかなか寝れなくてずっとドキドキしていた。
(大丈夫かな…うまく喋れますように…!)
約束の時間の近くに来るとラリンから
[おはよう。1車両目にいるから]との連絡が来た。
[おはようございます!了解です]と返してそして10:44電車が走ってきた。
1車両目の目の前に立つ。電車の扉が開くとすぐに花巻はたっておりすぐ合流することができた。しかし2人は目を合わせ少し固まる。
(花巻先輩かっこいい…。)
(水瀬なんか昨日と雰囲気違う…。めっちゃ可愛い…。)
しかしいのりは、はっとし急いで電車に乗る。
『お、おはようございます。今日はよろしくお願いします!』
「お、おはよう!。おう気にすんな」
少しぎこちない会話。2人がもう一度目を合わせるもすぐ晒してしまう。すると電車は動き出すそうとするときいのりはバランスを崩してしまう。
『きゃっ!』
「おっと…!」
それを花巻は腕で受け止めていのりは花巻に抱きついてしまう。2人の距離は今までで1番に近い。2人の体温は高くなる。