第3章 変化
いのりとお母さんと花巻は水瀬家へ入っていく。いのりは『荷物置いてくると言って一旦離れた。案内されたリビングへ行くと綺麗に掃除され整理整頓されてある。
棚にはたくさんの家族写真がありいのりが赤ちゃんの頃から最近の高校の入学式までずらりと各節目の写真がたくさんあった。
花巻はそれを見て笑みが溢れる。
「かわいいでしょ。うちのいのり」
「はい、かわいいですね」
お母さんと花巻がこそこそ喋り笑い合う。
戻ってきたいのりは不思議そうに『何話してたの』と聞かれたがお母さんは「内緒よ」と答える。
そして奥の部屋に案内されそこには仏壇があった。そこには
いのりのお父さんの写真とお菓子やらお酒が飾られていた。
花巻は仏壇の目の前に座り線香をあげ手を合わせる。いのりも後ろに座り手を合わせた。
リビングへ戻ろうとするとお母さんは1冊の本を持ってきた。
『お母さんそれなに?』
「これ花巻くんの年の卒業アルバムよ」
「えっ!」
花巻はびっくりして驚いた声を出す。花巻が6年のころちょうどいのりのお父さんは隣の担任をしており卒業アルバムを持っていた。『見たいみたい!』といいながらソファに座る。
「ちょうどねいのりから話聞いた時にもしかしてと思ってたらね」
「うわっ懐かしい…」
アルバムを見るとそこには小学生時代の花巻が写っておりそれを見ていのりは『えー花巻先輩がまだ小さい』と変なところで驚いていたり『この先輩かわいい!』などと興奮していた。
「ちょっと水瀬そんなに見るなよ」
『あ、ごめんなさい。ついあんまり見慣れない姿だったので』
と笑っているとお母さんはまた新しいアルバムを持ってきて『これは?』ときくとお母さんは「あなたのアルバムよ」と笑顔で言った。
『え!なんで私のアルバムなんて持ってくるの!』
「花巻くんのアルバムいのりが見たんだから花巻くんにも見せなきゃね。花巻くんも見たいでしょ?」
「はい!見たいです!」
『もう知らない!夕飯作ってくる!』と言っていのりはリビングを出て行った。