第3章 変化
いのりの嬉しそうな顔を見て花巻はふと口にしてしまった。いうはずもなかった言葉に花巻はびっくりする。そしていのりも。
『へっ!』
「あ、!このシュークリーム!今までと全然違うから好きだなーって!」
『あ!シュークリーム!私も好きです!このシュークリーム美味しいですよね!こっちも食べてみますか??』
「おう!もらおうかな!俺のも食べてみな」
と話題をそらし2人はお皿をトレードしまたシュークリームをたべる。
(あっぶねー無意識って怖え…なんとか誤魔化せたか…?今告白なんてしたらインハイ前に水瀬を困らせることになるし振られたらまず俺のメンタルが持たない……告白はまぁもうちょっと落ち着いてから…だな)
花巻は一旦深呼吸をして自身を落ち着かせた。そしてまたシュークリームのおいしさに2人は舌鼓を打ち食べ続けた。
思わずたくさん食べたり時間を忘れて話をした。結局あの後いのりも花巻もシュークリームをおかわりした。
いのりはお手洗いを済ませて手を洗う。そこでさっきのことを思い出してしまう。花巻の「好きだよ」の言葉
(あの時はびっくりしたけどやっぱりそうだよね…勘違いしなくてよかった…でもなんかちょっともやもやする…)
いのりに対してではなかったことがいのりのなかでちょっとショックだったらしくなぜか胸がモヤモヤする。しかし
いのりにはそのモヤモヤの正体がわからない。
お手洗いから出てお店を出ようとする。すると伝票がないことに気づきいのりは『あれ?伝票が…』というと花巻が「ああ、済ませたよ」といわれた。
お店を出てからいのりは必死に全額は申し訳ないのでせめてドリンク代だけ支払うということで花巻は納得しお金を受け取った。
『本当にありがとうございます。ご馳走になっちゃって…』
「いいんだって水瀬のおかげでここに来れたんだから。むしろ俺の方がありがとうだよ。また…誘ってもいいか…?」
『はい!またぜひ誘ってください。』
いのりは笑顔で返し花巻もそれに釣られて笑う。