第2章 転機
練習試合の話をしているとちょうど料理が運ばれて各自ご飯を食べることにした。
「そういえば俺水瀬がマネージャーするとは思わんかったわ。なんかあんまり手応えなさそうな感じだったし。なんかきっかけでもあったの?」
「そりゃもちろん俺の熱烈な勧誘のおかげでしょ!」
『うーん…及川さんの勧誘はそんなにでしたけど一番のきっかけっていったら…花巻さんですかね?』
松川の意外な質問にいのりではなく及川が答えたがいのりの回答は4人の回答を上回るもので全員がいのりを見た。花巻はいのりの意外な発言に咳き込み驚いた様子を見せる。
「えぇ!なんでちょまっきーなの!?まっきーもしかして隠れていのりちゃんに手出したの?」
「んなことしねぇわ!ばか!ちょっと話しただけだよ」
いのりがマネージャーになるためのきっかけとなった花巻の意外な共通点のことをみんなに話し一同納得を得た。
そして食事を済ませて駅まではみんな同じ帰路なので一緒に帰ることにした。
『あのすみません。ご馳走になってしまって。』
「いいのいいの!俺たちから誘ったし。そもそもいのりちゃんの歓迎会だから」
『ありがとうございます。』
「あ!じゃあお礼としてお願いきいてくれる?」
及川の笑顔にいのりの顔がひきつる。岩泉は「またくだらないことだろ。無視していいぞ」といい歩き始めようとする。
「ちょっと!待ってよ!普通のことだって。ただ前みたいに及川先輩!って呼んで欲しいだけ。なんかさん付けだと距離感じるしせっかくまた同じバレー部に入部したんだからさ!ね?みんなもそう思わない?」
「まぁ確かにな。女子から先輩って呼ばれたい。」
『それくらいなら全然いいですよ』
及川の提案に松川が賛成して2人でハイタッチを交わす。盛り上がる2人の後ろでいのりは花巻と並んで歩くことになった。
『あの花巻先輩も私のことさん付けじゃなくて呼び捨てで呼んで大丈夫ですよ』
「ならそうさせてもらうわ。これからよろしくな水瀬」
『はい!」
その後もみんなで話し合いながら駅までたどり着きいのり、及川、岩泉は同じ電車にのり各自自宅へ帰った。