第2章 転機
スゥッと息を吸いいのりは先程監督に話したことを話す
『試合を見た感じ相手は攻撃型チームです。第一セットからかなりの本数を飛んでます。当然脚にも負荷がきていると思います。なのでこちらはとりあえずブロックを減らします。何もブロックをしないということではなくてブロックを極力1枚か2枚にします。ブロックはアタックを止めるだけの手段じゃありません。ボールを打たせるコースを絞らせるために使います。』
いのりの話を聞いたメンバーたちは静かに聞き納得したような顔をしている。しかしそこに3年の選手が「もしアタックをレシーブで取れない場合はどうするんだ」という質問にいのりは答える。
『青城のメンバーの皆さんならレシーブできます!私は青城のバレー部は基本的にオールラウンダー型です。オールラウンダー型は相手に柔軟に対応できる力が長けてると思います。皆さんにしかできないことだと思います。だからできます!!』
「はっはっマネージャーに言われたらできないことはないな!マネージャーが俺たちを信じてるんだ。俺たちもマネージャーのことを信じよう」
『!?』
キャプテンの言葉にいのりは驚きと喜びが一気に湧き上がる
「そうですね!こんなに言われたらするしかないですね」
と及川も続いて話そのほかの選手も「そうだな」という声が聞こえる。そして円陣を組もうとした時キャプテンが「ほら水瀬もこい!」といわれ円陣にまざった。
「勝つぞー!」
「「「おーーーーっす!!」」」
円陣が終わると選手はコートへ戻りいのりもベンチへ戻った。
監督やコーチからは「ありがとう」といわれいのりは頭を下げる。まだたって2時間ほどしか経ってないがチームの一員に慣れたような気がしてとても嬉しそうだった。
試合再開の笛が鳴る。先程までの選手とは顔つきがかわり勝利に向けた眼差しをしていた。