第2章 転機
自分でもこんなに大きな声を出したのはびっくりしてしまった。小学生のころバレーをしていた時はこんな感じで挨拶をしていたけれどまた高校生にもなって見知らぬ人に言うなんてと思うと いのりは一気に顔を赤くした。
するとそんな大きな声を上げた矢先に体育館からシューズの走る音が聞こえた。
「 いのりちゃん!!いつ来たの?!さっきの声で気づいたよ笑良い挨拶だったね。さぁはいってはいって!!」
と及川がやってきて いのりを体育館へ案内する。さっきの男の子は「えっえっ?」と戸惑いながら後をついてくる
体育館にはいった いのりはバレー部の視線を集めながら及川の後をついていき監督とコーチのような人の前に案内された。
「監督!コーチ!この子が前言ってた北川第一のマネージャーをやっててあの細かいメモをかいてた 水瀬 いのりちゃんです!」
と自信満々に紹介され いのりは恥ずかしそうにする。周りの部員たちもなんかざわざわし始める。すると監督が口を開く
「君があのメモを書いた子なのかい?読ませてもらったよ。良い観察眼を持ってるじゃないか。とりあえず今日はもうすぐ練習試合も始まるからまずはチームの雰囲気に慣れなさい。期待してるよ」
『はい!よろしくお願いします。』
と いのりは頭を下げて監督とコーチの元を去る。
青城の練習風景をみていると後ろから 水瀬さんと呼ぶ声に振り返る。振り返った先には花巻がいた
「やっぱりマネージャーする気になったんだ。さっきの挨拶もよかったよ笑」
『あ、花巻さん!こんにちは。中まで聞こえてましたか?はずかしぃ…』
と顔が赤くなり恥ずかしがる いのりは手で顔をパタパタと仰ぐ。それをみた花巻はいのりに対して
「かわいいな」
『えっ?』
「えっ?」
花巻の意外な言葉にいのりはびっくりしてしまう。花巻もびっくりした表情でお互い沈黙の時間が流れるとすぐ練習試合の相手が来てしまったらしく花巻は集合がかかりいってしまった。
いのりはコーチからちょっとボトルが作り終わってなさそうだから手伝いに行って欲しいと言われて外の水道の方へ向かった。その顔はまだほんのり赤みが残ったいた。