第2章 転機
次の日の土曜日天気は晴れ
今日は及川が言っていた約束の土曜日。今日約束を果たすためにいのりは学校へ行く準備をする。マネージャーをすると言うことを伝えに
(なんだか緊張するなぁ…練習試合は10時からって言ってたけどあれ、?終わった後に行けばいいのかな?それとも始まる前?)
肝心なことを書き忘れだと焦るも悩んだ末早めに来て損はないよねということで始まる前に行くことにした。
家を出る前に朝ごはんを少し食べてお母さんは今日は夜勤らしくまだ起きてこない。しかしテーブルの上にメモ用紙がありそこには
″お母さんはいつでもいのりの味方!いってらっしゃい〝
と書かれていた。そのメモを見るとなんだか心がホッとした。心の中でお母さんに感謝して、お父さんにも行ってきますと手を合わせて家を出る時も行ってきますと言って学校へ向かった。
いのりが学校に着く頃には9時を回っており体育館からはバレーボールの音がする。
おそるおそる中をのぞいて見ると選手の人たちはウォーミングアップをしており誰に話しかけていいかわからずに体育館の周りをウロウロしていた。そうしたら後ろから「なにかようですか?」と声がかかりビクッとする。
『あの…えっと…お、及川さんいますか…?』
「あー及川先輩のファンの人?ここ選手の人しか入れないから試合見たいならあっちから入って」
とさっきまで優しそうに声をかけてきたと思ったら及川の名前を出した瞬間なんだかがっかりしたような感じで説明される。
『あ…そうじゃなくて…あの…マネージャーになりたくて、』
「あー及川先輩目当てでマネージャーしようとしてもだめだめ。用がないなら帰った帰った」
といわれ帰るように言われたがここで折れてはせっかくマネージャーになろうと昨日決心したのにと思いつつスカートをくしゃっと握りつぶすとクシャッという音がした。
ポケットに入れた母からの手紙を思い出した。
″お母さんはいつでもいのりの味方!〝
(がんばれ私!)
息を大きく吸う。
『一年二組水瀬いのり!青葉城西のマネージャーになりたいんです!!よろしくお願いします!!』