第1章 出会い
「俺本当に水瀬先生のこと好きだったからさ亡くなったときほんとに悲しかったんだよね。」
さっきとは逆のトーンで話していく。
「俺水瀬さんにはバレー続けてほしいんだよね。先生が好きだったバレーを。そしたら先生も喜ぶんじゃないかな。先生を理由にバレーを辞めたら先生悲しむと思うよ。」
花巻が小学5年生の頃。バレーの話をする先生、娘のいのりの話をする先生はとてもきらきらしていた。だから自分もバレーをしようと思った。先生の一番の支えであったバレーやいのりが自分の好きなものから離れてしまってしまっているということはとても悲しいことではないのかといのりに伝える。
その話を聞いていのりは涙目になりながら泣くのを必死にこらえて花巻に自分の思いを伝える
『本当に…お父さんはそう…思ってますかね…自分だけ楽しくバレーに…関わるのが怖くて…』
こらえきれない涙をこぼしてしまい花巻に問いただす。花巻は急に泣くいのりに戸惑いながらも話を続ける
「先生は水瀬さんがバレーを楽しそうにしていることが一番先生にとっても水瀬さんにとってもいいんじゃないかと俺は少なくとも思ってるから誰かに迷惑かけるとか考えなくていいよ。」
花巻にそう言われ今まで閉じ込めていた思いがあふれて泣いてしまう。その様子を花巻は何も言わずただいのりに大丈夫だからと手を添えてくれた