第1章 出会い
今日は金曜日。あれから及川や岩泉から連絡をもらうが決断できずにあっという間に日は流れてしまった。家に帰っても学校に行っても常に考えるのはマネージャーのことばかり。遥はあれから何も言わないし、触れもしない。遥なりに察しているのだろう。そんな気遣える友達にも返事をすぐ返せていない及川たちにも申し訳ない気持ちがこみあげてくる。
そんな気持ちを表しているのか外の天気も雨が降っている。
雨の強さがまだ強いのでいのりは図書室で勉強することにしていた。
雨が降っていた外も夕飯前の時間には雨もやんでいのりも帰る準備をした。マネージャーの答えは出ないまま時間も過ぎてしまう。
「あ、及川の後輩?」
急に通り過ぎた人から声がかかる。声をかけた人は前髪を眉毛よりも上にぱっつんで切って背の高い人。急に声をかけられていのりはびっくりする。
『えっと…どなたですか…?』
「あぁ、俺のことわからないよね。おれバレー部の花巻って言って君がメモを記していった人って言ったら思い出す?背番号7の」
話しかけてきたのはいのりがメモで記した花巻だった
その言葉を聞きいのりは思い出した