第1章 出会い
そこからいのりは自分の思いを及川たちに伝えた。
『父親が亡くなってから母も無理に仕事を増やして。そんな母に私は迷惑をかけたくなくて高校でバイトも初めました。父の職業であった小学校教諭になるために勉強も頑張っていい大学に入りたいんです。そんな私が中途半端にしか参加できないのにマネージャーになって皆さんに迷惑をかけるに決まってます…。だからマネージャーにはなれません。それに私はバレーをしちゃいけないんです…』
最後の方の言葉が少し小さな声になったが二人はしっかりそれを聞き取った。
重い雰囲気にならないようにいのりは笑顔で話すようにするが少し泣きそうな声になってしまう。小さな声でまたすみませんという姿は小さく見えた。実際に自分の思いを言葉にするということはすごく勇気がいることではっきりと自分の思いを伝えた。
いのりの話を聞いて少しして及川が口を開く。
「そっか…。伝えてくれてありがとう。最後にこれだけは言わせて。いのりちゃんはほんとにそれでいいの?中学の頃のいのりちゃんはすごく楽しそうにマネージャーしてたしバレーの話をするときもすごく楽しそうだった。自分の気持ちに蓋してない?いのりちゃんがしたいっていう気持ちが少しでもあるんだったらそれに嘘はつかないでほしいな。何ならお試しで空いてる時間マネージャーしてみない?」
その及川の提案にいのりは驚く