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君に一輪の花を【ハイキュー】

第1章 出会い




じりじりと及川はいのりを追い詰める紙をひらひらと見せながら意地悪な笑みを浮かべる。

「おい及川。あんまり水瀬をいじめるな。」

『岩泉さん…。』


あんまりもいじめる物だから間に岩泉が入り及川を叩く。岩泉はごめんなと言いながらその場を収めてくれた。やはり中学のころから面倒見の良さは変わってはいなかった。


「水瀬。マネージャーするのがどうしてもいやだったら断っていい。無理やりにとは言わない。でもこんなにバレーのことが好きで断る理由を教えてくれないか。」


岩泉が優しい口調でいのりを促す。二人はここまで断る理由が知りたい。こんなにもバレーに関するメモを取るということはバレーが嫌いだとかマネージャーの仕事が嫌いというわけではないだろうと思う。それならばなぜ断るのか理由を知りたい。優しく岩泉に言われたいのりはゆっくりと口を開く。



『中学の頃。私の父が亡くなったの覚えてますか』



及川も岩泉もいのりの部活の先輩だ。廊下で会えば挨拶をするし手を振られたりするそういった関わりは持っていた。なくなったのはいのりが中学2年の頃の秋ごろ。及川たちは部活を引退してなかなか合わなかった時期。たまたま職員室から出てきたいのりに話しかけると元気がなかった。その理由は父親が亡くなったからだ。いのりの父親のバレー好きは中学でも人気で毎回のように試合を見に来たり差し入れくを持ってきたり保護者会でも役職を担うなどして有名だった。及川や岩泉でも当時は相当なショックを与えた。

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