第1章 出会い
月曜の朝天気は五月晴れというのにふさわしい晴れた空だった。いのりの願いは届かず降水確率は0に近い数字である。足取りを重くしながら学校へ向かう。
午前の授業をしっかり聞き昼休みに入ろうとお弁当をもって遥のところに向かうとクラスメイトから声がかかる。
「水瀬さん!及川先輩がよんでるよ!」
聞きたくない名前が耳に入る。教室のドアを見ると及川が手を振ってこっちを見ている。遥も驚きながらいのりと及川を交互に見ながら後で事情聴取するからねと言われしぶしぶ及川の下へ行く。
「お昼休みなのにごめんねー。ちょーっとお話したいことが合ってここじゃあれだから部室に来てもらっていいかな」
どんな話かは少々察しが付くがここで逃げることもできないので及川の後をついていくことにする。なんで部室なんですかと聞くとぼくって有名人じゃんと言っていたが後半どうでもいいことなので聞き流していた。バレー部の部室につくとそこにはまた岩泉がいた。なんとなく話の内容がわかる。すると及川が口を開いた
「昨日俺こーんないいもの拾っちゃったんだよねー。」
と言いながら出したのは昨日いのりが書いたメモ用紙。いのりは顔がだんだんと青くなる…。
「これさー昨日いのりちゃんが帰った後にいのりちゃんの足元らへんに落ちてた紙なんだけどこれまさかいのりちゃんのじゃないよねーー。」
いのりの名前を強調しながら笑顔で言う。
それを聞いているいのりは心臓の動きが早くなる。