第1章 出会い
「あぁ、前俺たちもなんでそんなに細かいところまで見えるのか聞いてみたんだよ。そしたら父親がバレー好きで小さいころからプロのバレーの試合とかいろいろ見てきたら自然に身についたって言ってたぞ。」
岩泉が答えると花巻がまた質問を繰り出す。
「父親がバレー好き…名前が水瀬…」
「ん。どうかしたか」
いやと返しその場は何事もなく会話は終了した
花巻の中では何か引っかかっている様子。
まあこれからマネージャーになるかもしれないし
そん時になればいくらでも聞けるだろうと思い
その疑問を頭の隅に置くことにした。
一方いのりは家に帰宅し夕飯の支度にとりかかっているものの先ほどの及川の言葉が頭から離れない
マネージャーをしてみたいという気持ちもある。でも両立もできるかわからないし、そもそも部活を本気で挑んでいる人に迷惑かけたくないし、でもバレーには関わりたいし、などそんな思考を巡らせている。
そして明日の支度をするために制服を出すと今日ポケットに入れておいたメモがないことに気付く。
(うそ…メモがない…どこで落としたんだろう…)
と思いだすとどう考えても及川に礼をした時しか考えられない。そう思うと急に心臓の動きが早くなる。及川が拾っていたらどうしようという思いが頭を占める。及川じゃない誰かが拾って処分してほしい明日学校に行きたくないなんて考えを抱きながらもう引き戻すこともできないのでベットに入って寝ることにした。
もし及川が拾っていたら及川のところだけ大雨が降ってほしいという思いを抱きながら