第4章 仲間
休み明けの学校。
俺はちょっとした用があり、泉智の姿を探している。
『あっ!泉智!』
泉智の姿を見付け、手を上げ名前を呼ぶも、
『吉本〜〜〜!!!』
向こうから走って来た虎杖に遮られてしまった。
俺は咄嗟に柱の影に隠れる。
『あ!虎杖君!!』
『よう!吉本足は?大丈夫なの?!』
『ありがとう!!ゆっくりさせてもらって、もうほとんど痛みもないよ!』
泉智がキラキラ輝く笑顔で虎杖と話している。
『あのさ…これ』
虎杖が左手で頭をポリポリと掻きながら、持っていた紙袋を泉智に差し出す。
『えっ!ありがとう!何これ?!』
『開けてみて』
虎杖は頬をピンクに染めている。
『わぁあ!!!ハンカチ!!
しかも私が前ダメにしちゃったやつと同じ…!
ありがとう、、これもう廃盤になっちゃったやつだから、諦めてたのに…
もしかしてかなり探してくれた…?』
『いやっまあ…それなりに?
でもさ、あのハンカチめちゃくちゃ大事なんだろ?血拭く時、ちょっとためらってたじゃん?』
『実はね…あれ、おばあちゃんの形見だったの。
本当に嬉しい、虎杖君ありがとう!!』
嬉しさのあまりなのか、泉智は虎杖君にハグする。
赤くなる虎杖・・・
『チッ…
何やってんだよ俺、どんだけ差つけられてんだよ』
俺は、持っていた紙袋を静かにゴミ箱に捨てた。