第3章 宿儺◎
"部屋を間違えたか…?"
周りを見渡すも、ここは泉智の部屋で間違いない。
中にまで聞こえてしまうんじゃないかと思うぐらい、大きな音を立てて動く心臓。
"落ち着け俺・・・
部屋に入るか?でも、そんな事したら…俺はそんな光景を見たらどうにかなってしまう…
ここは一旦部屋に戻るか・・・"
すると中から
『はーい、今日はここまで〜!!』
と五条先生の声が聞こえてくる。
"ヤベッ"
咄嗟に、俺は自分の部屋へと戻っていた。
"あれは何だったんだ…
今日はここまで・・・?理性を失くした男、ましてや五条先生のような人が、行為を途中でやめてしまうなんて考えられない。。
俺の勘違いか?
…考えたって答えは出ない。
あれは違うんだ、そう言い聞かせよう"
考える事をやめるため、俺は読書を始めた。
・・・が、そんな事したって内容は頭に入ってきやしない。
ついには、いやらしい声で啼く泉智を思い出し、俺のそこがどんどん大きくなる。
『クソッ……』
俺は膨らみを止めない自身の欲望の塊を握り、何度も擦り上げた。
泉智の欲情した顔…
泉智のよがる声…
あいつの全てが欲しい
何としてでも、あの顔を、あの声を、俺に向けさせたいーー
『…クッ』
俺は欲望を全て吐き出した。
その夜、俺は、幾度となく頭の中で泉智を犯した。